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乃伎多神社薬師堂(東阿閉薬師堂)

乃伎多神社薬師堂には四躯の仏像が伝わりますが現在は公開されず、秘仏となっています。 乃伎多神社はかつては「野北八幡」と称され、安曇郷の鎮守として祖神を祀っています。 秘仏として安置される薬師如来立像と聖観音立像は、後世の補修、彩色が甚だしく、現容をうかがうことはできませんが、台座裏の墨書によれば、その修理は江戸時代後期文政8年(1825年)であることが判ります。 彫眼で面幅が面長を上回るほどの丸顔・なで肩で身体も量感を強調せず、側面観は薄いこと、また動静も見せず、下半身を紡垂形にまとめ、衣文も薄く穏やかに抑え左右対称に整っていないなどの特徴から、両像ともに平安時代末期の12世紀中ごろの作風かと見られます。 同じく安置される毘沙門天立像二躰も平安期の作とみられます。 毎年9月13日に例祭「モロコ祭り」が行われます。